Counterfeit Detection Research Japan Co,LTD.
2018年7月、相続に関する民法等の規定を改正する法律が成立し、2019年1月から施行されました。それまで自筆証書遺言については、財産目録として預貯金では金融機関名や口座番号、不動産であれば登記事項(所在地、地目、地番、地積など)を全て自書する必要がありました。しかしながら、改訂により、これらの資料は機械印刷が認められ、遺言書に添付して、署名と捺印があれば有効となりました。
この法改正は、時代感覚に則したもので、現代社会においてはPCとプリンター、WordやExcel等の文書作成ソフトが普及しました。今や、手書き文書は極端に減り、ビジネス文書はもちろんのこと、年賀状に至るまで機械印刷による文書作成が圧倒的に増えています。
文書鑑定において、最も依頼の多いのが遺言書の筆跡鑑定です。今までは全文自筆であるため、偽造するには相当の努力が必要でした。しかしながら、今後は署名さえ上手に真似ることができれば、遺言書の偽造が容易になるとの見方が強まっています。
日本の人口で最も多くを占める昭和22〜25年生まれの団塊世代が、後期高齢者の帯域に入っています。少なくとも、これからの10年間は、遺言書に関する筆跡鑑定が増えると見られます。
さらに、この度の新型コロナウイルスの影響で、歴史上最大規模の大不況が到来すると見られています。あくまで一般論ですが、金銭消費貸借における債務否認等、ここでも筆跡鑑定、印影鑑定のニーズが高まる可能性があります。
しかしながら、在野における文書鑑定人は極めて少なく、精密鑑定書を作成できる鑑定人は100人を切るほどです。全国の弁護士が40,000人を超える点からすると、その少なさは圧倒的と言えるでしょう。理由としては民間・国家試験ともその制度がないこと、専門知識の習得に時間がかかること、いわゆる教習所がないこと等があげられます。
そこで、この度当研究所では、「鑑定人養成講座」を開催し、広く筆跡鑑定、印影鑑定を中心とした文書鑑定に興味がある皆様を募集することといたしました。個人としては筆跡や印影鑑定にご興味のある方、法人においては総務職や監査職に所属する方に、おすすめしたいと思います。
ただし、どなたもいきなり文書鑑定人になれるわけではありません。先ずはスクーリングと通信教育で、鑑定人養成講座を受講していただき、鑑定人助手となっていただきます。用意したマニュアルと課題で、疑似的に鑑定書の作成を経験し、徐々に鑑定人助手として実際の鑑定現場に参入していただきます。
現代社会では、文書鑑定も装置ビジネスと化しています。説得力のある鑑定書の作成には、PC、プリンター、顕微鏡、スキャナー、文書作成ソフトウェア等を装備が必要です。PCについてはWindows系であれば既にお持ちの機材で対応可能です。
鑑定人養成講座の受講要領は下記のとおりです。