混抄繊維入り新手偽造収入印紙400円(04年11月に発見)
04(平成16)年11月、混抄繊維を漉き込んだ偽造収入印紙は発見された。印刷自体は04年2月に発見された偽造券と同じ仕様である。本件では用紙について偽造券のほうが縦の長さが大きい。
1.全体の外観 
  1)表面
 真正券の主な偽造対策は次のようである。
@ すかし
波状模様だが単品ではなくシートの状態であるとより視認しやすい。
A 微細画線
花弁の中心部、葉の葉脈を表した部分
B 蛍光インク
上下に14本の波状横罫線と同様に中央部分の横罫線と「日本」、「NIPPON」の連続文字に紫外線により黄色く蛍光発光する。
C 混抄繊維
赤と青の着色繊維が混抄されている。

真正券(表面)
 偽造券では偽造対策の再現はほとんど省略されているものの、出来映えとしては極めて秀逸である。
@ すかし
入っていないが単品では真正券においても視認しにくい
A 微細画線
微細印刷ではないが存在感を得ている
B 蛍光インク
真正券とほぼ同様に再現されている。
C 混抄繊維
漉き込みはなく、繊維を極うすい上紙と糊で貼り付けている(目視では真正券に見える)。
偽造券×(表面)
縦方向の長さが偽造券の方が長い
  2)裏面 
 収入印紙の裏面はのり面のため白紙状であり、赤と青の混抄繊維の視認が容易である。またのりが乾燥状態でコーティングされているため光沢がある。
真正券(裏面)
個々の繊維の長さ、太さとも微妙に異なっている
 偽造券の裏面にも着色繊維の混抄がある。従来の偽造券では印刷によって再現されていたが、当該偽造券では物理的な混抄繊維が存在している。偽造券の出来映え(グレード)としては大進歩と言えよう。
 この部分は目視による視認や虫めがね程度のルーペでは見破ることはむずかしい。
 表面はやや、光沢はにぶいものの、裏面はのり面仕上げとなっている。
偽造券×(裏面)
偽造券では長さ、太さとも均一である
※従来、印刷で再現していた赤と青の混抄繊維(ケガミとも言う)は、今回の偽造券では、真正券と同様漉き込んでいる?、ように見える。しかしながら、鑑定の結果、芯になる中紙の表裏に均質なサイズの着色繊維をちりばめ、さらに極めてうすい紙でサンドイッチ様に貼り付け、仕上げている。    真正券○                             偽造券×

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