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偽造通貨対策研究所は筆跡鑑定、印影鑑定、通貨鑑定、証書鑑定等の文書鑑定の専門企業です。

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通貨鑑定Currency Detection

通貨鑑定

偽造通貨対策研究所の遠藤です。

2023年も、いよいよ年末にさしかかりました。以前にも「例年紙幣の偽造が発見される年間のピークはこの年末年始です。」(2020.12.25追記)と、お知らせしました。案の定今年も12月に入って2件の偽造券が発見されています。

1つは京都で両替商の窓口で見つかりました。発行年度がSERIES2003年の米100ドルでいわゆる旧券です。同じく米ドルの偽造券で12月、千葉県内の空港で発見された偽造券は、SERIES2017年の現行紙幣で、表面中央の縦方向に施行された青い3Dリボンがアニメ状動く完成度の高さです。年末年始休みに営業される両替商に皆様には十分ご注意ください。特に、過去に偽造券を買ってしまったことがある店舗は気をつけてください。

偽造行使は同じ店舗で繰り返される可能性が高く、注意を要します。理由は、同じ犯人のリピート来店率が高いのと、防犯意識が甘い店として偽造グループに周知されるためです。文字どおりマークされている可能性が高いわけです。詳しくは新着情報・FAQをご覧ください(2023.12.28追記)。

今月(2022年11月)に入り、「CERP FUNDS」なる米100ドルの鑑定依頼が、複数寄せられています。「CERP FUNDS」とは、Commander_Emergency_Response_Programの資金であり、Wikipediaで検索すると「司令官の緊急対応プログラム」と訳されますが、鑑定の依頼者によればイラク侵攻の際に拠出された軍事資金で、この資金が現金で数十億ドル日本国内の米軍基地に秘蔵され、軍関係者の要請で日本円への両替を希望しているとのことでした。
 この紙幣の特徴は、自然光あるいは室内証明下においては特に何もありません。ブラックライトを照射すると紙幣の裏面に蛍光インクのスタンプで押印された文字「CERP FUNDS」と大小の記号☆(星)が蛍光発色します。(画像URL参照)。紙幣鑑定機及び拡大視認検査による鑑定を行ったところ、持ち込まれた米100ドルは真正券でした。
 この手の話しでは、真正券は商談において使用する見せ金で、実取引には偽造券が使われる可能性がなきにしもあらずです。本人確認等マネロン対策に関する手続きをしっかり行ったうえで応ずることをおすすめします。よくある展開として「CERP FUNDS」に便乗した偽造券が出現する可能性がないとは言えず、注意を要します(2022.11.25追記)
(関連画像1)
(関連画像2)
大規模な地震や火災等の震災が発生すると、当該エリアでは損傷券を装った偽造券が出回ることがあります。偽造券が多少変色していたり、サイズが異なる等の差異については真正券が劣化損傷したことにカモフラージュできるわけです。10年前の東日本大震災では銀行のATMが津波で流され、人為的に機械が破壊され、中の現金が奪われた例もあるようです。

カモフラージュと言えば、旧券である聖徳太子一万円(C号券)の偽造券が2008年頃から急増しています。C号券一万円は、昭和57(1982)年に流通停止となりましたが、有効な貨幣であるため、いまだに偽造券が出回っていると言っても差し支えないでしょう。高齢者のタンス預金等、遺品を装った偽造券の行使が確認されています(2021.3.13追記)

年末年始にさしかかりました。ご存じかも知れませんが、例年紙幣の偽 造が発見される年間のピークはこの年末年始です。2005年に初詣で各地の神社やお寺で発生した事例はその典型と言えます。露天商が被害にあったケースですが、何故かと言えば、初詣はおおむね深夜早朝から始まり、あたりはまだ薄暗く、さらに真冬のため、防寒で手袋をしている人が多く、参道に仮設した屋台では監視カメラ等のセキュリティ対策が不十分で、いざとなったら雑踏に逃げ込むこともできるわけです。さらに仮設のため裸電球のような照明で、色調が変わってカラーコピーでも本物に見えてしまうわけです。

犯人は、子供が買うような数百円の駄菓子を偽造一万円で購入し、釣り銭9千円をせしめ、次の屋台に向かうのです。この事件は2005年のお正月に全国の神社、お寺で同時に発生しました。報道が類似犯を呼んだ可能性がないとも言えませんが、今年はコロナ禍で企業の倒産と、失業者が増えています。現金商売を行う事業者の皆さん、偽造券には充分注意してください(2020.12.25追記)。

NHKBSプレミアムの番組「ダークサイド・ミステリー」で、第二次世界大戦において独ナチスが製造したと考えられる偽造5ポンド紙幣について、番組の制作会社から偽造通貨対策研究所において、真贋鑑定に関する取材を受けました。

放送は9月17日(木)21:00〜22:00で、ご覧になった視聴者から、弊所にもかなりの反響がありました。この番組はタイトルからして、毎回かなりマニアックなテーマを取り上げ、一般に知られた歴史的な史実について、やや違った見方で様々な可能性を問いかける、そんな番組です。

番組ディレクターから「強制的にナチスによって偽札を作らされた者たちの証言」も取材したと聞き、私としてはこの点に興味を感じています。実は、この事件の現代版とも言える事例があるのです。それは北朝鮮製の高精度偽造米ドルSuperNoteで、一説にはいわゆる特定失踪者が関与していると言われています。

北朝鮮被害者と言えば、横田めぐみさんが象徴的な存在ですが、実は、300人を超える特定失踪者が存在し、その中には印刷関係の仕事に従事する人が多く、このような推定がなされています。TV報道としても、2014年 7月 21日 のTBS報道番組「Nスタ」にて「スーパーノート製造に拉致された日本人が関与させられていた?。」で、その可能性が明かとなっています。
http://www.gizoutaisaku.com/manual/kanteinin%20Profile.pdf
(2020.11.08追記)

私ども、偽造通貨対策研究所は外国為替、外貨両替が自由化される1997年以前から紙幣鑑定機の開発・販売を行っています。1997年のいわゆる金融ビッグバンにより、金融機関が独占していた多くの業務が自由化されました。外貨両替もその1つになります。

ご存じのとおり、2002年1月にヨーロッパの統一通貨であるユーロ紙幣が発行されました。それまではドイツマルク、フランスフラン、イタリアリラのように各国が、自国の通貨を発行していました。かなり昔のフランス映画「太陽がいっぱい」では、主人公を演じる俳優アランドロンが持っていた大きな四角い皮財布にハンカチのような四角いかたちのフレンチフランが入っていました。

現代社会では各国が発行する紙幣については、ISOコード(イソコード:国際標準化機構(ISO: International Organization for Standardization)で、ほぼサイズが統一されていますが、当時(概ね1970年以前)の紙幣は、各国が全く任意にデザインし、自国の造幣局で造っていたため、様々な仕様となっていました。そのため、当時の紙幣鑑定機は1台1通貨が原則で、今のようなマルチ通貨対応はしていませんでした。例えば、3階建ての紙幣鑑定機や、通貨ごとに搬送幅をハンドルで調整するような仕様もあり、大変使いにくいものでした。さらに鑑定精度についてもあまり高精とはいえないものばかりでした。

当時は、目視鑑定が主流で、現代のような高精度、高機能の紙幣鑑定機は存在せず、鑑定人の経験といわゆる鑑定眼をもって行うもので、ベテランの鑑定人が必要で、相当の高給取りであったようです。技術革新で様々なセンサーが開発され、かつ小型、低価格で量産ができるようになり、最近紙幣を鑑定するということは、すなわち紙幣鑑定機にかけるということになっています。

ここでは、過去に発見された様々な偽造について、鑑定事例を紹介します。

鑑定事例1

2017年12月2日 発見場所=大阪市中央区
         特徴=3Dリボンの模様がアニメ状に動かない








鑑定事例2

2017年10月中〜下旬 発見場所=新宿、渋谷、上野、池袋等都内首都圏
           特徴=紫外線の蛍光発色、磁性インクを再現










鑑定事例3

高精度偽造米ドル「スーパーノート」について「スーパーノート」(SuperNote)とは、連邦準備券における超高精度偽造米100ドル紙幣の総称です。その歴史はかなり古く、世の中に現れ始めたのは、1970年代で、今日まで発見されたSERIES(発行年度)は、 SERIES1974,1977,1980,1985,1988,1990,1993,1995,1996,2001,2003,2006の12種類に及びます。

SuperNote(×印)のすかしと紙幣記番号を見てみましょう。実は、文化の違いかも知れませんが、米ドルにおいては本物(○印)のすかしに、かなりの個体差があります。

すかしについて一説には泣いた顔、笑った顔、そして怒った顔の3種類が存在すると言われています。そのうち「SuperNoteは泣き顔」と言われています。ところがSuperNote側にも個体差があるので、話しが難しくなります。写真の例では右目をつぶっているようにも見えます。

さらに、紙面のしわや折り目が判別を妨げます。一般的に鑑定では、情緒的判断は避けるのですが、むしろ感覚的でわかりやすいという人もいます。これは人の個性差ですね。

加えて、記番号に注目します。こちらは明らかにフォントデザインの差異と言えると思われます。数字「6」に本物との差異(右上り傾斜と先端ラッパ状)があります。

実は、数字「9」にも同じ特徴があり、この点からSuperNoteが「6」と「9」について、同じフォントを、天地を変えて使用していることが分かります。腕利きデザイナーの仕事と言えるでしょう。


スーパーノートの高精度ぶりは驚異的で、「超」という名のとおり本物を超えるほどに高精度と言うことができます。紙幣は偽造対策、社会的背景、マイストロの育成、陳腐化回避等の理由で一定期間を経てデザインが改訂されます。

この中でデザインが小顔モノクロのSERIES1974〜1988は、初代スーパーノートと言い、SERIES1990,1993は同じく小顔モノクロですが、本物が部分改訂され偽造対策としてマイクロ文字が追加されました。種類としてはこれを「スーパーK」と呼んでいます。

スーパーノートのすごさは本物を追随する持続力です。つまり約30年間に渡って忠実(不適切表現だが仕方がない)に、かつ高精度に再現を繰り返してきた、言わば「信じられない偽造券」なのです。例えば肖像画の襟部分のマイクロ文字(United States of America)ですが、むしろ偽造券のほうが高精度な出来映えです。偽造は裏社会の産業、とよく言われますが、いくら裏社会でも民間では、スーパーノートを作ることはほぼ不可能でしょう。

偽造米ドル「スーパーノート」(SuperNote)の高精度ぶりは、券面の随所に見受けられる。その典型例をいくつか紹介しましょう。

表面の上部左右には金種マーク「100」が、凹版印刷されています(SERIES2001「CB券」の例)。文字が立体視されるよう、右下方向に印影が形成され、目視においては極太の画線印刷に見えますが、拡大すると放射線状にハッチング(微細平行線)が施されています。

SuperNote(×)は微細画線が規則正しく、均一に印刷されているのに対し、本物(○)は長さ、太さ、間隔、傾斜角度とも不揃いで均一ではありません。これはSuperNoteの原版が機械的に作成されたのに対し、本物はマイストロ(工芸技官)が一本々ビュラン(彫刻刀)で手彫りしてる証左と言えます。

出来映えとしては、SuperNoteがより高精度と見るのが一般的ではないでしょうか。これが当該偽造券がSuperNoteと呼ばれる所以であり、まさに本物を超えた出来映えなのです。

つまりSuperNoteは、本物と同じまたはそれを超える程の印刷技術、印刷装置、材料(用紙やインク)を持っていることになるわけです。長年にわたってそれを維持するためには資金力も必要である。並みの偽造団にはとうていできる代物ではありません


今まで、偽造米ドルSuperNoteは、本物を超える出来映えぶりと紹介しました。しかしながら、意外な方法で見破ることもできる。これからの投稿では、そのいくつかの事例を紹介します。

それから、SuperNoteはあくまでSERIES2003までの旧券に関する発見例であり、カラー印刷、3Dリボン仕様の現行紙幣における事例は発見されていません。念のため、先にこの点を申し添えておきます。

さて、米100ドルの裏面に描かれているのは、独立記念館(Independence Hall)ですが、中央の塔にある時計台が示す時間について、偽造券(×)では真正券(○)より「1〜2分進んでいる」ように見えます。

これは、時計内にデザインされた文字「W」と、分針の位置関係から、印象としてそのように見えるのですが、はたして皆さんにはどう見えるでしょうか。

実寸では時計の直径が2oと小さく、かつ紙幣の中央部に位置するため、折り目がついているなどし、極めて判然としにくいです。しかしながら、鑑定人としては、この差異は真正券の個体差ではなく、異なる印刷版式により作られた別物と見ています。


エピソード

ところで米ドル紙幣の主原料は、綿パルプと麻パルプといわれています。 今でいうデニム素材です。そのため、紙というより布に近いと言えるかも知れません。ある年、天候不順により、原料の綿花が不作となり、米造幣局はやむを得ずリーバイス社に依頼し、ジーンズの端切れの提供を受け、その不足を補ったという有名なエピソードがあります。米ドルがジーンズと同じ素材でできていた、いうことになるでしょうか。米ドルが、丈夫で長持ちすることは知られていましたが、もしかしたらこの点が、世界の基軸通貨となり得た一因かも知れません。

ちなみに元々ジーンズは、ゴールドラッシュ時代に金採掘の鉱山で着る白いデニム地の作業着でした。回りに棲息するガラガラ蛇に噛まれないため、天然のインディゴという草で青く染めたのがブルージーンズの始まりだそうです。



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