TEL. 03-3541-1982
〒104-0061東京都中央区銀座7-15-8銀座堀ビル4F
当研究所は偽造券対策に関するわが国初の民間研究機関です。偽造犯罪は時代の流れに敏感に反応し、同時に背景に溶け込む習性を持っています。例えば高解像度スキャナーやカメラが開発されるとプリンターによるお手軽偽造が出回り、時代が好景気になるとビール券やカードギフト券の偽造が出回り、さらに金利が上昇局面に転ずると聖徳太子1万円の偽造がタンス預金に紛れて出回りました。
キャッシュレス化が世界的にすすんでいますが、日本におけるキャッシュレス比率は33.4%(2022年現在)と先進国中では10位となっています。これは私見ですが、キャッシュレス化がすすめばすすむほど流通貨幣における偽造券の含有率が上がるとみています。偽造は裏社会の産業といわれています。それは間違いありません。貨幣の流通量が減る一方で、裏社会の人口が減らないかぎり、偽造券の流通比率が増すのは道理です。
団塊世代が後期高齢者の年齢に達し、向こう10年程は死亡数が増大する可能性が高いと思われます。タンス預金を装った旧券(聖徳太子や福沢諭吉一万円)の偽造が増大する可能性が高く、これら偽造券の大半は海外で造られています。コロナ収束・インバウンド復活で偽造券(外貨、邦貨とも)の流通量が増大する可能性があります。
弊所法文書鑑定室 では、筆跡、印影、指紋(拇印)、印刷文書、その他紙幣、証書、商品券などの真偽鑑定を行っています。法科学技術に基いて自社開発したビデオマイクロスコー プ(max1000倍)は、検体を立体画像化(3D)し、空間を含めた精密解析が可能です。紫外線・赤外線等の光学的手法により、インクの成分、紙質を解析し、潜像文 字、印影の押圧や筆圧痕を検証します。
紙幣鑑定機については、日銀券はもちろんのこと米ドルやユーロ等外国通貨に対する物性鑑定や、紙幣番号を読み取りデータ記録・検索を可能にするクラウドレファレンスシステムなど特殊分野での研究・開発活動を行っています。偽造対策についてはシーソーゲームを余儀なくされる分野だけに、絶えず情報収集と対策についての創意工夫が必要です。当研究所では今後も鑑定精度の維持、向上と時代ニーズにあった鑑定メソッドの開発に努めてまいります。
偽造通貨対策研究所所長の遠藤です。私は、1979(昭和54)年専修大学法学部を卒業後、外資系コンピュータメーカーに勤務し、主に金融機関向けの業務機器の企画・開発に携わってまいりました。当時は、金融機関において外為業務への参入がトレンドとなり、その第一歩が外貨両替でした。
また偽造券が多数出回っていることからから、ドル紙幣鑑定機のニーズが高く、世界中で偽ドルを採集しては、インクや用紙の成分を解析し、そのデータを鑑定機にフィードバックし、精度を高める企画・開発を担当しました。よく偽札を持っていたら罪になるのでは?との、質問をいただきますが、法律では、犯罪が成立する構成要件があり、いわゆる知情行使があって始めて犯罪になります。つまり研究用に保管しているだけでは罪にはなりません。
1995(平成7)年ころから、印紙や切手、ビール券やカードギフト券等のいわゆる商品券の偽造が急増します。バブル崩壊後に訪れた平成大不況で、印刷業者が多数倒産する例があり、これに目をつけた裏社会組織が、運転資金に困った印刷業者を抱き込み、ビール券や高速道路回数券等様々な偽造券を大量印刷し、全国の傘下組組織にばらまきました。実は技術革新との因果関係があり、当時カラーコピーはA4サイズで1枚3〜400円でしたが、コンビニでいきなり50円に値下がりし、皮肉にも街の印刷屋さんから仕事を奪う結果となったとみています。
筆跡や印影等、いわゆる文書鑑定については、元々警察庁科学警察研究所に様々な鑑識機材を企画・開発する立場から筆跡や印影に関する鑑識装置を開発することで関与が始まりました。そのため、私どもは法科学技術学会にも正会員として加盟しています。筆跡は平らな紙面に書かれていますが、実は、縦・横・高さをもった立体構造物です。いわゆる空間3Dであり、さらに筆順という時間すなわち運動が加わり、筆跡は時空間に存在するという捉え方をしています。そのため、例えば「木」字は、その交点が4階建の階層構造物と言えるのですが、人によっては交わらない字画もあるわけです。これを筆跡個性と言い。筆跡鑑定の着眼点になるわけです。
印影鑑定では、スーパーインポーズ法により重合鑑定が基本ですが、最近弊所では「誰が押したか」の人物特定の鑑定メソッドの研究に着手しています。いずれまた情報開示できるかも知れません。これについては、いずれ公開論文でお知らせしたいと思います。
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